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プラダと言ったら、みなさまは最初に
なにを思い浮かべますでしょうか
映画の『プラダを着た悪魔』
シックな雰囲気が人気のサフィアーノ
さまざまあるかと思いますが
一番強いプラダのイメージといえば
黒のナイロンバッグ
ですよね
ですが同時に
「あんなにシンプルなナイロン地なのに
どうしてこんなに高価なの」
と疑問をお持ちになる方も多いのでは
本日はプラダのナイロンバッグについて
詳しくお話していきます
プラダのナイロン製品は
1978年ごろからプラダで使用され始め
現在ではブランドを代表するといってもいいアイテムです
ふつう、プラダくらいのレベルのハイブランドなら
主力商品はレザーが中心ですから
誰でも安価に手に入れることができる
ナイロン生地のバッグ、というのは
ちょっぴりそぐわないような気もします
ですがもちろん、プラダのナイロンは
ナイロンであってただのナイロンにあらず
プラダのナイロン製品に使用されるナイロンは
『ポコノ』という名前の特製ナイロン
ポコノは撥水性と耐久性に優れ、
プラダのバッグのほかには
パラシュートやテントなどに使用される一流の素材です
また、レザーなどの自然素材には出せない光沢があり
『普段使いできる一流品』
として、登場から間もなく厚い支持を得ていったのです
とはいっても、ポコノが取り入れられた1978年ごろといえば
まだまだブランドバッグは革が基本の時代
そんな時世で、革新的といえるナイロンバッグを
作ったのはいったい誰だったのでしょうか
プラダは兄のマリオ・プラダと
弟のマルティーノ・プラダによって
1913年、イタリアで作られたブランドです
ふたりは初め、セイウチやワニ等の
希少な革を使用した豪華なバッグで
対富裕層向けの知名度を伸ばしていきましたが
のちに「豪奢すぎるバッグは時代に合わない」と考え
軽い防水生地のビジネスバッグを作るようになります
これがまた各地を飛び回る上流ビジネスマンたちに大ヒット
プラダはその名前を世界中に広めていくことになります
ところがすべてが順風満帆とはいかず…
プラダは次々に襲い掛かってくる
第一次世界大戦、第二次世界大戦の波を受け
その勢いを落としてしまいます
大戦中では豪華な旅行鞄は需要がなく
上流階級をメインターゲットとしたプラダは
みるみる時代に取り残される形になります
創業者であるマリオ、マルティーノの死去から
娘のルイーザ・プラダが
受け継いだ事業を立て直せなかったのも原因です
そうして長く低迷を続けていたプラダというブランドに
1978年、救世主が現れます
マリオ・プラダの孫娘である
ミウッチャ・プラダです
ミウッチャが3代目オーナー兼デザイナーとして就任してから
真っ先に着手したのはターゲット層の変更でした
戦前、貴族や上流階級の人々を相手に
希少なレザーを使用した鞄を売っていたのを改め
「日常を贅沢に飾る」をコンセプトに
普段から使える、富裕層でなくても手が届く商品
を作るようになります
その代表作が「ポコノ」なわけです
ミウッチャはマリオが使っていた防水素材の旅行鞄をヒントに
ポコノシリーズをデザインしていきます
もちろんブランド内ではこの革新的すぎるアイディアに
批判の声も多く上がりましたが
「今までと違うことをしなければ、この停滞は脱却できない」
と強行し、見事ポコノを世界的な大ヒットへ導き
プラダの地位も引き上げて見せたのです
かっこいいですよね~
プラダのナイロンバッグは、
迷走していたプラダが一躍世界のハイブランドに返り咲いた際の
会心の一撃、とも呼べるシリーズなのです
さて、ここまでお話ししてきたのは
プラダの「これまで」のお話し
実はプラダのポコノシリーズは
いま現在たいへんホットな素材として
注目されているシリーズでもあります
というのも、きっかけは
「2021年末までにすべてのプラダナイロン製品を
再生ナイロン繊維に移行します」
というプラダの発表から
ここでいう再生ナイロンとは、
Re-Nylonと呼ばれる
海洋廃棄プラスチックや漁網をもとに
作られたリサイクル可能なナイロン素材のことです
品質はそのままで環境問題にも配慮している
こちらの新素材は、
ファッションブランド界だけでなく
リサイクルやエコの業界からも高い注目を浴びています
「2021年末まで…」という区切りまでは残り約9か月
プラダのナイロンバッグが今後どういった進化を遂げていくのか
世界の期待が集まっています
本日はプラダのナイロンバッグについてお話ししました
いかがでしたでしょうか
ただ見ただけでは
「ただのナイロンのバッグがなんでこんなに高いの」
となってしまいがちですが
歴史からたどると、このナイロンバッグこそが
プラダというブランドの根幹となっていることが
お分かりいただけたかと思います
シンプルで持ちやすく、丈夫で長持ち
プラダのナイロンバッグを購入されるときには
その歴史にも目を向けると面白いですよ
それではまた
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