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みなさまこんにちは(*^-^*)
日本はかつて「黄金の国・ジパング」なんて呼ばれていましたが
その実、実際の金の採掘量はけして多くない国です![]()
ですが、日本の四方を取り囲む
広大な海には金資源が眠っている
というのを聞いたことはございませんか![]()
本日は海水に含まれる金について
詳しくお話していきます![]()
海洋金資源について
私たちの身近にある海水には
水や塩(塩化ナトリウム)の他にも
マグネシウム、リチウム、ウランなど
80種類近くの元素が溶け込んでいる
と言われています![]()
そしてその中には、
宝飾品の素材として高値で取引される
金も微量ながら混ざっているのです![]()
![]()
海から採ることのできる金は
海水1トンあたりで約1ミリグラム![]()
地球の海水の総量は約13亥5千京リットル(!)
だと言われていますから
単純計算で、海全体に眠っている金の量は
なんと50億トンにもなるのです![]()
これまで人類が発掘してきた金の総量が
だいたい17万トンちょっとで
地中に残っている金は約7万トンですので
比べてみると、海水に含まれる金が
どれほど途方もない量なのかが
お分かりいただけるかと思います![]()
ですが、実際に海水から金を抽出して
活用している、なんて話
なかなか聞きませんよね![]()
これはいったい、どうしてなのでしょうか![]()
海水抽出は割に合わない
海水から金を取り出す、という
一見とても画期的なアイディアが
いまいち商業ベースに乗らないのは
採算がとれないから
というのが大きな理由になってきます![]()
考えてもみてください。
金が50億トン、と聞けば
それこそ500億回生まれ変わっても
遊んで暮らせるだけの価値がありますが
海水1トンから得られる金の量は
たったの1ミリグラムぽっちなのです![]()
身近なもので考えると、
水がたっぷり入った2リットルのペットボトルを
500本用意して、やっとこ1トンの海水です![]()
さらに、その海水を濾したりして
金を抽出するために
大きなタンクや特殊な装置、
水圧に耐えられる排水機構も必要になります![]()
苦労して設備を整えて、
海水をなみなみ1トン注いでも
1ミリグラムの金の価値は、せいぜい7円ほどです。
これじゃあコスパが悪すぎますよね![]()
採掘作業も結局は商業・企業の一部ですから
やったところで赤字になるのなら
手を出す業者はいない、というのが実際のところです![]()
海水に眠る金の総量は確かに多いのですが
実用しようと考えるには濃度が低すぎて
現実的ではないのですね![]()
ドイツの失敗
海水に金が含まれている、というのは
19世紀半ばには、すでに広く知られていました![]()
ですが、どの国も前項で説明したような理由で
海水からの抽出を断念していたなか
たった1国だけ、海水からの金抽出を
実行に移した国があるんです![]()
その国の名前はドイツ![]()
第一次世界大戦終了後のことです![]()
戦争に負けたドイツは
「戦争を引き起こした責任がある」
ことから
1520億マルク(現在の日本円で約200兆円)
の賠償金を背負うことになります![]()
当時のドイツは敗戦の影響で
生活に余裕のない国民がほとんどで
そこにきてこんな大きな借金ができてしまったら
そりゃあ現実的でなくても
海水に眠る金に賭けたくなる気持ちも分かります![]()
ドイツでは、ノーベル賞学者の
フリッツ・ハーバーをリーダーに
約4年の年月をかけて
海水から金を取り出す研究を行いましたが
利益を生み出す前に資金が尽き計画は頓挫
結局「金の抽出は採算に合わない」という通説を
見事に証明したかたちになってしまいました
(余談ですが、そのバカ高い借金は一部減額してもらいながらも、2010年に完済を達成しています。よかったね!)
リチウムの回収
海水からは確かに金は採れるが
今の技術力では採算がとれない…
これが今回の結論になってしまうのですが
先ほども少し触れたとおり、海水には金の他にも
さまざまな元素が溶け込んでいます![]()
その中には、地上からは採掘が難しい
非常に貴重な金属資源であるレアメタルも
多く含まれているのです![]()
いくつかある海水中のレアメタルの中でも
特に日本が力を入れて
抽出を行ってるのが
リチウムという金属です![]()
リチウムはパソコンやスマートフォンなどの
電子機器の電池として使用される物質で
今後どんどん需要が高まることが予想されています![]()
海水のリチウム含有量は約2300億トンと
金の約46倍です![]()
これだけあれば元が採れそうですよね![]()
実際、リチウム回収はかなり現実的に
実用実験が進められているところで
まだ遠い未来にはなりそうですが
商業ベースに乗せることも視野に入っているのだとか![]()
リチウムの回収技術が一般化すれば
その技術を使って
もっと低コストに金を抽出する方法も見つかるかもしれません![]()
今後どうなっていくのか期待が高まりますね![]()
海底熱水鉱床プロジェクト
日本が力を入れている研究として
リチウム回収と並んで
海底熱水鉱床プロジェクト
というものがあります![]()
海底熱水鉱床、とは
ざーーーっくりいえば
海底深くの火山活動で噴出した熱い海水が
急激に冷やされることで
中に含まれていた金属が結晶化し
海底で固まったもの
のことを言います![]()
この鉱床はもとは海水ですので
金やリチウムなどのレアメタルも
しっかり含まれています![]()
つまり、海底熱水鉱床プロジェクトとは
金やレアメタルを取り出すなら
海水からじゃなくて
海底で結晶化した鉱物を引き上げたほうが
より効率的だよね
というプロジェクトなんです![]()
このプロジェクトも、技術的には
非常にハイレベルなことをしているのですが
日本では2017年に
経済産業省とJOGMECという独立行政法人が
世界初となる鉱床の掘削作業・引き上げに成功しました![]()
この海底熱水鉱床は
伊豆諸島・小笠原諸島の付近に
多く確認されていますので
掘削・引き上げのコストと折り合いがつけば
これまた貴重な資源調達法に
なりそうな予感がします![]()
最後に
本日は海水に含まれる金資源についてお話ししました![]()
いかがでしたでしょうか![]()
今回ご紹介した技術はどれも開発途中で
まだまだ実用化には時間がかかりそうですが
島国である日本だからこそ
将来的に「海から金がふつうに取り出せる世界」がきたら
と考えるとわくわくしちゃいますね![]()
今から汲んで溜めとこうかしら…
海洋資源を巡る研究は、どれも面白いものばかりですので
興味を持たれた方は、ぜひ調べてみてくださいね![]()
それではまた![]()
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